正解がわからない、共感が苦手、自分も疲れている。そんなあなたの気持ちも置き去りにしないために。
「こうしたらいいんじゃない?」と答えたら、「そういうことじゃない」と言われた。
じゃあ黙って聞こうと思ったら、「ちゃんと聞いてる?」。
「解決してほしいんじゃなくて、共感してほしいの」
そう言われても、正直、何を返せばいいのかわからない。妻の話の聞き方に悩み、会話のたびに身構えてしまうことはありませんか。
妻を大切にしたくないわけではない。困っているなら力になりたい。でも、何を言っても間違いになるようで、こちらも疲れてしまう。
そんな戸惑いがあるからといって、すぐに「思いやりがない夫」ということにはならないと思うんです。今回は、話を聞く側の気持ちにも目を向けながら、「共感してほしい」と言われたときの受け止め方を考えてみます。
妻の話を聞くたびに「何が正解?」と考えてしまう
力になりたくて、解決策を考えているのに
大変だった話を聞けば、「どうすれば楽になるかな」と考える。困りごとがあるなら、解決できる方法を伝える。
それも、相手を気にかける一つの形ですよね。
ただ、話している人がその瞬間に求めているものと、差があることがあります。方法を考える前に、「そんなことがあったんだね」と、まず自分の経験を聞いてほしいときもあるからです。
例えば、「今日、子どもがなかなか寝なくて大変だった」と言われて、「昼寝を短くしたら?」と返す。役に立ちたい気持ちでも、相手には「やり方が悪いと言われた」と聞こえることがあります。
まずは「なかなか寝なくて、大変だったんだね」。方法を一緒に考えるのは、その話を聞いたあとでも遅くありません。
「また間違えそう」で、言葉が出なくなることも
返事をするたびに「違う」と言われると、次の一言が出にくくなりますよね。
何も感じていないから黙っているのではなく、「もう傷つけたくない」「これ以上もめたくない」と考えて、言葉を選べなくなっていることもあると思います。
そんなときは、上手な返事を探すより、「ちゃんと聞きたいんだけど、どう返したらいいかわからなくなっている」と、今の状態を伝えてもいいのではないでしょうか。
一度の返事で相手の気持ちを全部わかる必要はありません。わからないところを確かめながら聞いていくことも、会話の一部です。
「共感してほしい」は、全部に賛成してほしいということ?
同じ意見にならなくても、気持ちは聞ける
「共感する」と聞くと、妻の言うことを全部認める、自分が間違っていたと謝る、という意味に感じる方もいるかもしれません。
でも、ここで大切にしたいのは、「自分も同じ意見です」と言うことより、「あなたには、そう感じられたんだね」と知ろうとすることです。
例えば「私ばっかり大変」と言われたとき。「いや、俺だってやっている」と言いたくなる気持ちは、いったんあっていい。
そのうえで、「一人で抱えているように感じて、しんどかったんだね」と受け止めることは、家事をしていないと全面的に認めることとは違います。
何をどれだけ分担しているか、これからどうするかは、別に話し合えます。気持ちを聞くことと、事実や役割を確かめることを、一度に済ませなくてもいいんです。
「わかるよ」と言えないなら、無理に言わなくていい
同じ経験がなければ、すぐにはわからないこともあります。
「わかる、わかる」と合わせるより、「自分には気づけていなかった。どんなところが一番大変だった?」と聞いた方が、話しやすくなることもあります。
気持ちを想像して伝えるときも、「寂しかったのかな」「それが嫌だったんだね」と、確かめるつもりで。違っていたら、「そうか、寂しいというより悔しかったんだね」と聞き直せば大丈夫です。
共感は、相手の気持ちを一発で言い当てるテストではありません。
共感が苦手でも、妻の話を聞くためにできること
気の利いた言葉より、聞こえたことを短く返す
何か立派なことを言おうとすると、かえって難しくなります。
「そんなことがあったんだ」
「何度もやり直して、疲れたんだね」
相手が話した出来事や気持ちを、短く返すだけで十分な場面もあります。ただ、同じ言葉を繰り返せば必ず伝わるわけではありません。スマホから目を離すなど、話に意識を向けることも大切にしたいですね。
話の途中で結論を出さず、まず一区切り聞いてみる。そのあとに「それで、どうなったの?」と続けるくらいでもいいと思います。
求めていることがわからなければ、聞いていい
聞いてほしいのか、一緒に方法を考えてほしいのか。毎回、察するのは難しいですよね。
少し話を聞いてから、「今はもう少し聞いていた方がいい? それとも、一緒に考えたいことがある?」と確かめてもいいんです。
「共感と解決、どっち?」と急いで選ばせるより、その人が話したいことに合わせていくつもりで。
途中で気持ちが変わったり、本人にもよくわからなかったりすることもあります。決まった正解の返事を覚えるより、二人にとって話しやすい聞き方を、少しずつ知っていけたらいいですね。
自分も疲れているときまで、聞かなければいけない?
余裕がないことを伝えるのは、冷たいことではない
仕事や家事を終えたあと、自分ももう何も考えられない。そんな日もあります。
相手の気持ちを大切にすることと、自分の疲れをなかったことにすることは、同じではありません。
「ちゃんと聞きたいけど、今は頭が働かなくて。少し休んでからでもいい?」
そう伝えてもいいと思います。「また今度」で終わらせず、「30分休んだあと、話せるかな」など、無理のない範囲で戻るタイミングを相談できると、置き去りにされた感じも減らせるかもしれません。
もちろん、すぐに助けが必要な用事があるときは、その対応と、落ち着いて話を聞く時間を分けて考えたいですね。
あなたの話を聞いてもらう時間も、大切にしていい
「妻の気持ちは聞くけれど、自分の気持ちは誰が聞いてくれるんだろう」
そんな寂しさや不満があるなら、それも大切な気持ちです。
妻の話の途中で「俺の方が大変」と比べる形では伝わりにくくても、「自分も最近余裕がなくて、そのことを聞いてほしい」と別の時間に伝えることはできます。
どちらがより疲れているかを決めるためではなく、二人の疲れを知り、負担や休み方を相談するために。
聞く役を、いつも一方だけが引き受け続ける必要はありません。
うまく聞けなかった日も、会話はやり直せる
あとから「さっきは、すぐにアドバイスしてしまったな」と気づくこともあります。
そんなときは、「さっきは方法の話ばかりしたけど、大変だったことを聞いてほしかったのかな。今、もう少し聞いてもいい?」と、戻ってもいいんです。
その場で話したくないと言われたら、すぐに答えを求めず、また話せるときを相談する。一度でうまくいかなかったからといって、全部が失敗というわけではありません。
「共感が苦手な自分を直さなければ」と追い込むより、わからないなりに聞いてみること。そして、自分の戸惑いや疲れも言葉にすること。
夫婦の会話を、どちらかが正解を出し続ける場にしなくていいと思います。
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「どう聞けばいいかわからない」から、相談しても大丈夫です
「妻を大切にしたいのに、話すとすれ違う」
「何を言っても責められる気がして、会話がつらい」
「自分の疲れや気持ちも、聞いてほしい」
そんな思いを、一人で整理しきれなくても大丈夫です。
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